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道央

(株)石狩レッドフェニックス代表取締役、(株)フェニックスサポート代表取締役 老田 よし枝 さん【石狩市】

日々を真剣にすごす若者に勇気を与え、夢を支える

2018年にアスリートフードマイスター1級を取得。同年、冬の室内練習場としてフェニックスフィールドをオープンするとともに、(株)フェニックスサポートを設立。2020年に(株)石狩レッドフェニックスを設立し球団代表に就任。2021年度より札幌大学非常勤講師。2022年度北海道男女平等参画チャレンジ賞を受賞。

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きっかけ
 10数年間アメリカで暮らしていたのですが、医療費が高額なので、とにかく病気をしないようにと栄養について学び、家族の健康維持に努めていました。そんな中、たまたまテレビでアスリートフードマイスターという資格を知り、野球に夢中になっている息子達の食事作りに役立てようと3級の資格を取得。するとやる気に火がついて、上位資格に挑戦するため本格的に栄養学を学び、2級と1級を取得しました。そして同じ年に、北海道のアスリートをサポートする体制を強化する(株)フェニックスサポートの設立へ。もともとは息子達をサポートするために始めたことが起業につながりました。
苦労
 野球を中心としたスポーツ関連の仕事で人脈が広がり、栄養を指導する立場として独立リーグの立ち上げに携わる中、思いがけず球団代表の道へ。ゼロからのスタートで、手探りですべてを築き上げ、しかも全く経験のない球団運営は本当に大変ですが、地域活性化と、若者の夢を応援するという2つの目標に向け、日々奔走しています。全国から選手や球団職員を募集して石狩市民として受け入れ、行政や地元企業の協力を得て選手達が野球に打ち込める環境を作りました。選手達は「石狩」の名前を背負い、全力でプレーしてファンに夢を与え、さらに地域の労働力としても活躍することで、まちに活力を与えてくれています。
満足度
 独立リーグの選手達は、働きながら練習し試合に臨むという生活で夢に挑戦しています。そんな彼らが少しでも良い環境で野球ができるよう、就労先の企業にご理解とご協力をいただき、収入面の安定を確保しています。また、球団の寮では、しっかりと栄養が摂れるように、配膳業者の協力を得て献立と食材を用意してもらい、選手達が交代で調理しています。チームが結果を出すことはもちろん嬉しいのですが、人生を懸けてひたむきに夢を追う選手達を応援できることが私の原動力になります。NPBを目指し挑戦し続ける選手達を経営者として支えつつ、彼らが社会人としても人間としても成長できるよう見守っています。
これから
 野球人口の減少で、単独でのチーム結成ができない中学の野球部が増えている中、子ども達が野球を続けていけるよう中学生の軟式野球クラブチーム「石狩レッドフェニックスJr」を立ち上げました。野球に親しみ楽しく続けることを第一に、人を育む活動をしていきます。野球が好きな子ども達に夢を与えられるよう、「石狩レッドフェニックス」と「北海道フロンティアリーグ」の知名度を上げ、いずれは日本全国の独立リーグと肩を並べられるようレベルアップし、北海道の野球をもっともっと盛り上げていきたいです。彼らが活躍する姿を見て、子ども達も将来に大きな夢を描きチャレンジしていく、そんな存在になれたらと思います。

北の☆女性たちへのメッセージ

一生懸命に頑張れば、絶対に同志ができ同じ夢を持っている人が集まります。諦めずに前進するのみで、失敗したらそれを糧にもっとジャンプできます。そして常に謙虚に、向上心を持つこと。人生は何が起こるかわからないけれど、困難も楽しんでいきましょう。

取材年月日:
2023年2月20日