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十勝

菊地ファーム、ピロロフェス実行委員会 代表 菊地 亜希 さん 【広尾町】

産業体験イベントで、町に恩返ししたい

1984年産まれ、千葉県出身。帯広畜産大学を卒業後、大樹町で2年間酪農の実習を受け、夫と広尾町で就農。町の魅力や大切さに楽しみながら気付くきっかけをつくることを目的に一次産業・食・音楽・雑貨販売を融合させた体験型イベント「ピロロフェス」を企画運営。家族は夫と長女(0歳)。

※写真・・・菊地さん(右)と夫と長女

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きっかけ
 広尾町に就農してからずっと、温かく迎えてくれた町に恩返しをしたいという気持ちがありました。2013年に町主催の「広尾みらい塾」に参加し、初めて農家以外の同世代の方たちと交流を持ち、そこで町民には酪農が盛んなことが知られていない事を知りました。自分たちは誇りを持って就農したので、もっと認知して欲しくて楽しみながら知るきっかけになればとピロロフェスを企画しました。また、町の基幹産業である一次産業をもっと知ってもっと町を好きになるきっかけにしたいと2年目は林業、3年目は漁業とそれぞれの産業をテーマとしたイベントとして開催しています。
苦労
 1年目は自分の思いと勢いで開催することができましたが、2年目以降は実行委員の中にも辞めていく方がいたり、酪農以外の産業をテーマにすることで運営に関わる方は増えましたが、意見の食い違いも出てきたりと実行委員会を進めていくことも大変でした。イベントとしては、例えば、酪農なら乳牛はいつでも牛乳を絞れると思っている方もいる、そういった素朴な疑問に答え、ちょっとでも興味を持ってもらえるようポップな感じで身近に産業を感じていただける体験メニューなどを工夫しました。
満足度
 一次産業に触れる機会がなかった方々が実際に産業を体験し、その空間を感じてもらうことができました。林業の体験では伐採を実際見学し、その大変さを感じました。普段何気なく見る景色ですが、それは管理している方がいるからこそ、当たり前のことではなくそこに林業という産業があることをわかってもらえたのではないかと思います。また、このイベントがきっかけで牧草の収穫作業を見学にきた方もいて、興味を持ってもらえたことに達成感を感じます。実行委員はみんなボランティア、毎回大変すぎて「もうやだ」と思うのですが、お客さまの喜ぶ顔を見るとまた頑張れます。
これから
 続けることに意味があると思っています。イベントにかけられる予算が少なくなっても、形を変えながら続けていきたいと思っています。自分自身としては、牧場で加工品をやりたい、という夢があります。ここに乳製品のお店をひらく。それがきっかけで、町外の方たちにも広尾町を知ってもらう。ここに…この場所に来てもらうことに大きな価値があると思っています。「この牧場があるから広尾町に行きたい」という存在になりたい。それが、私のこの町・この地域への恩返しになると思っています。
  • 菊地さんイメージ1
  • 菊地さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

1回目を開催したとき、手書きの手紙に思いを綴って、参加を呼びかけたことで多くの方に共感してもらえたのだと思います。思いがあれば困難があっても頑張れるし、アドバイスをくれる方もきっといます。あとは何よりもまず、自分が楽しんでやることかなと思います。

取材年月日:
2016年11月2日