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道東

なかしべつ町民活動ネットワーク 代表 本間 玲子さん【中標津町】

町民活動が盛り上がれば、町は元気になる!

1977年札幌市出身。中学校教諭を経験後、結婚・出産を経て2009年に夫の転勤で中標津町に転入。「中標津町まちづくり町民会議」に公募、地元のまちづくりに携わるようになる。2016年に中間支援団体「なかしべつ町民活動ネットワーク」を設立。町民活動を行う個人や団体の相談を受けている。

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きっかけ
 「中標津町まちづくり町民会議」に参加したことがきっかけで沢山の人と出会い、サークルを立ち上げたり、講座を主催したりと、さまざまな経験をさせていただきました。そのうち、「仲間と集まるのに、安い会場は?」「このイベントに出てくれる団体を探しています」など、人探し・場所探しの相談を受けることが増えました。そんな姿を見ていた方からの紹介で中間支援センター研修を受ける機会に恵まれ、そこで「市民活動を支援する役目があること」を知りました。中標津町には市民活動センターはありませんが、同様の役割を果たせたらと、賛同してくれる仲間とともに「なかしべつ町民活動ネットワーク」を設立しました。
苦労
 とにかく地道で、年数がかかることです。目的は町の人たちの町民活動を盛り上げて、ひいては街全体を活気づけ、未来のまちづくりにつなげていくというところですが、わかりやすい結果が出るものばかりではありません。町民活動を支援するには、町のことやここに暮らす人たちのことを深く知らなくてはなりませんし、普段のおしゃべりのなかに、この先のまちづくりへのヒントが隠れていることもあります。だからこそすぐに成果が見えるものでなくとも、「用事がなくても、会うことが用事」と自分を奮い立たせて、今日もいろいろな人のところへ会いに向かいます。
満足度
 この活動で得られる財産は「人」だと思っています。互いを引き合わせた時は両者ともドキドキしていたのに、いつの間にか仲良くなって、気が付けばあれこれと計画が進んでしまっているというのが理想です。つなぎ役である中間支援は黒子ですので、事後報告を聞いて「あ、もうそんなに進んだの?」と驚くことも。たまにニコニコしながら会話を眺めているときは、心の中でガッツポーズしていると思って下さい。先日は町民ファシリテーター養成講座があり、会員はもちろん、1期生の皆さんも代わる代わるお手伝いに来てくださいました。自分だけで始めた活動だと思っていたのが、いつの間にか仲間が増えている。ありがたいことです。
これから
 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、中標津町の人口は2050年に2020年の71.9%の16,552人、根室管内の人口は43,401人と予測が出ています。いま、中標津町自治推進会議では「町民ファシリテーター登録制度」について話し合っています。もともと実行委員会で開いていた「ファシリテーター養成講座」を団体で実施することに。また、静岡県牧之原市に「市民ファシリテーター」という役割があることを知り、行政との話し合いを積み重ね、中標津でも同様のことができないかと議論してきました。「立場の違いを超えた対話による協働のまちづくり」が進み、日々の話し合いが変われば、地域が変わると思っています。

北の☆女性たちへのメッセージ

最初の頃は夜の会議や、ましてや子どもを置いて泊まりの出張など、罪悪感を持ちながらのことでした。しかし自分のしたいことを伝え行動することで、世界が広がり、今では子どもたちのほうが私よりも遠くへ出かけていきます。普段の取り組みは目立つものではないですが、土を耕し、良い土壌にするためと思っています。

取材年月日:
2024年2月