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道北

womom(ウーマム) 代表 山田 貴子さん【旭川市】

起業人生塾で、女性の「起業迷子」を救いたい!

1982年札幌市出身。業種や職種が異なる会社を転々とするジャングルジム型キャリアを積む。仕事と家事育児の両立に悩み、2018年にwomomを開業。2020年にはコミュニティwomomラボを設立し、女性の起業相談や継続的なコンサルティングを行う。「起業迷子を増やさない」をミッションに掲げる。

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きっかけ
 4社目の会社に勤めているときに長女を出産しました。当時、会社の中で初めて産休育休を取得したのですが、育休明けに18時の保育園のお迎えがあるために、経営者向けの18時半からの勉強会の運営に携わることができず、無力感を抱きました。次に転職した場所でも同様に時間との闘い。両立が難しくなり自身も体調を崩し、さまざまな理由から自営を考えるようになったのが起業のきっかけでした。初めはフリーランスでライターなどの仕事をしていましたが、月収が2~3万円程度の時期が続きました。しかし、本当にやりたいことを見つめ直した結果、多様な職種で積んだ経験を活かせることに気が付き、今の形に辿り着きました。
苦労
 時代の変化と共に起業したい女性が増える中「みんなで情報交換したり、切磋琢磨できる仲間や場がほしい」との声を受けて、2020年4月にコミュニティwomomラボを立ち上げました。当時はコロナ禍で初の緊急事態宣言が出た頃で、オンラインベースで活動をはじめましたが、私を含めて誰もがオンライン自体に慣れておらず、オンライン上での交流のぎこちなさから最初は価値を感じてもらえず、退会ばかりで人が集まらない状態が長く続きました。さらに、コミュニティというものもなかなか受け入れてもらえず、最初は無料、次にようやく月500円をいただくなど、事業としても亀の歩みだったという点で苦労はありました。
満足度
 女性が起業を考え始めるとき、その選択は人生に直結します。起業に関わるということは、その人の人生に関わるということなので、最初のうちは私自身が受け止められるだろうか?という大きなプレッシャーも感じていましたが、目の前の困っている人たちに真摯に向き合い、変わっていく姿を間近で見られるのはとてもうれしいですし、毎日が充実しています。また、私が何かしらのサポートなどで関わらせていただいた人たちが、つらい、苦しそうな状況から自分らしい幸せを見つけて輝いていくのはとても大きな喜びと誇りを感じます。私自身、営業職や経営者の方と関わる仕事をしてきた経験を活かせることがうれしいです。
これから
 女性の起業や人生に関わって5年、モヤばかりで全貌が見えないと思っていた起業の世界がようやく見えてきたように感じています。起業を考える女性たちに適したサポートや進め方がわかってきたので、今度はこれを必要な人へ、着実に届けていきたいと思っています。具体的には、まずようやくスタートしたwomom起業人生塾を、北海道各地で順次開催していく予定です。同時に、女性たちが不慣れな場所で不利益を受けないよう啓蒙活動も併せて強化していきます。起業した方が「起業迷子」にならないよう、適したサポートを継続的にしていけるよう、女性の起業支援者の育成にも力を入れていきたいと思っています。

北の☆女性たちへのメッセージ

起業が気になりはじめた方へ。今どんな気持ちでしょうか?日本の女性は、環境やライフステージの変化に人生を左右されがちです。私もその一人でした。そんなときは独りで悩まずに、ぜひ相談しにきてほしいなと思います。北海道、日本中に幸せな人が増えてほしいと思っています。

取材年月日:
2016年1月30日
取材場所:
取材場所が入ります