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道南

かあちゃん食堂たまりば 店主 小梅 洋子 さん【江差町】

人々が集い、支え合う場所。今日も笑顔で「いらっしゃい!」

1942年生まれ。高齢者の多い地域で「見守り活動」などの町内会活動をする中で、気軽に交流する場があればと、2005年に起業。「かあちゃん食堂たまりば」は、2021年ニッセイ財団の生き生きシニア活動顕彰を受彰した。2012年から町内会長を、2015年7月からは町議会議員を務めている。特技は江差追分。

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きっかけ
 高齢化が進む地域で、交流や見守りの場として「かあちゃん食堂たまりば」を開店して早16年。営業日の水曜日に顔なじみのお客さんが元気な顔を見せてくれるのを楽しみに活動を続けています。設立時のメンバーは高齢になり皆リタイアしましたが、特に募集をしなくても新しい仲間が集まり、活動が続いています。コロナ下で行動が制限されてからは、「来店はできないけど何かないの?」というお客さんの要望に応えて、営業日にお惣菜の販売を始めたところ、とても喜ばれて毎週開店と同時にほとんど売れてしまいます。皆に支えられ、励まされ、元気をもらって楽しく活動しています。

 

苦労
 自分たちのやれることをやっているだけなので苦労だとか嫌だとか思ったことはありません。ただ、コロナ下の自粛要請が長く続いたので、お客さんが少なくなり、イベントへの出店も軒並み中止。店を休むべきか続けるべきか悩みました。皆さん食事だけでなく、人と会っておしゃべりすることを楽しみに来てくれているのにコロナ下では黙食・・・。行動が制約され窮屈な思いをしているので、皆さんの心身の落ち込みが心配ではありますが、怖がってばかりいても仕方ありません。人とのつながりは心の薬。そんな場をなくさぬように、前を向いて、細々とでも継続していきたいです。
満足度
 お客さんや仲間とお互い元気を確認し合い「おいしかったよ」、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝え合える。そして、大切な人、そばにいてくれる人、わかるように話してくれる人がいるから安心できる。そんな人たちのために自分達ができることがあれば役に立ちたい。長寿の時代ですから「私らまだまだ若者だね!」と、元気いっぱいに、でも無理はしないでやっています。そして得意の江差追分。今でも週2回の練習に通っています。疲れていてもシャキーンと背筋が伸び、歌うとスカーッとストレス発散!追分は私の元気の素で、人が集まれば歌って踊り、賑やかな日々を送っています。

 

これから
 今は、活動の日数を増やしたいけれど、町内会や町議の仕事などの役目があり、あれこれ忙しくしているので、増やすことがなかなかできません。落ち着いたら、趣味の集まりや料理教室などの活動を増やして、互いに顔を合わせ、協働し、もっとみんなが集える居場所にして、食べに来てくれる人、食材を持ってきてくれる人、一緒に働いてくれる人、応援してくれる人、「お互い様でありがとう」と思える人たちとつながれる「かあちゃん食堂」をこれからも楽しくやっていきたいです。そして、いずれは私のあとを継いで誰かが皆の居場所を守ってくれたら・・・、と思っています。
  • 小梅さんイメージ1
  • 小梅さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

人生80歳に向かって進んでいます。世の中を嘆くより自分自身がワクワクしながら楽しく生きています。志を持って「せめて私達だけでもやろうよ」の精神。あまりガンバらなくてもいいよ。笑顔と雑談力がポイントです。

 

取材年月日:
2021年12月15日