155

オホーツク

農業経営者、食を通じたイベント等を主宰 和田 彩さん【小清水町】

こだわりの食材で「おいしく・楽しく」つながりたい

1977年生まれ大阪府出身。大学卒業後、生き方を模索し、様々な仕事や青年海外協力隊を経て、北海道へ移住。夫と共に環境保全型農業に取り組んでいる。

印刷用PDF

(写真右が和田さん)

きっかけ
 北海道に来るきっかけは羊でした。昔から羊毛を紡ぐのが好きで、それが高じて毛を刈る所からやってみたくなり、年に1度は北海道へ遊びに来るようになりました。その後紆余曲折を経て約10年前に移住し、知り合いのパン屋さんを手伝う中、夫と出会い結婚。ようやく定住の地ができました。子どもの食べるもの・触れるものは安全なものにしたいという思いで、夫と共に環境保全型農業に取り組み、自然栽培に挑戦。ライ麦やビーツなど、こだわりの農作物を通して知り合いが増え、買ってくれる人も増えてきました。また、学校給食にもじゃがいもや大根を出荷し、子ども達に食べてもらっています。
苦労
 移住してきた頃は親しい人も少なかったので、地域に溶け込むのには少し時間がかかりました。けれど子育てを通して知り合った人たちとのつながりで交友関係が広がり、気づくと友達ができていました。また、自然栽培の作物は、ライ麦・ビーツなど特殊なものだったこともあり、最初の頃は育てても販売先がなかなか見つかりませんでしたが、色々な人を家に招き一緒に食事をする中で、ライ麦を使ったパンを作りたいというパン屋さんから販路が広がったり、SNSで紹介したビーツを料理店で使ってくれたりと、変わった作物を栽培していることが新たな出会いに繋がり、交友関係が広がりました。
満足度
 満足度

「身体に良いものをおいしく楽しく食べたい」という思いに共感し、助け合える仲間ができ、食を通じてまた新たな人との繋がりが生まれました。顔が見える相手に買っていただくというのはとても嬉しく楽しいことで、地域のマルシェに参加したり、農業体験に来てもらい畑で一緒にごはんを食べたりする中で、人との輪が広がっています。そしていつの間にか「困ったことがあったら彩ちゃんに」と相談を持ちかけられ、「じゃあ、あの人を紹介しよう」と行った具合に、人と人とを繋ぐことができるようになりました。今は自宅がある意味コミュニティスペースのような場所になっているのかなと思います。

 

これから
 コロナ下になり、今まで以上に免疫力を高める食事の重要性を感じています。今はまだ販路の問題もあり、自然栽培はそれほど多くできませんが、新たな技術も取り入れながら、徐々に増やしていけたらと考えています。私自身、若い頃から今に至るまで生き方を模索し、あちこち放浪する人生で、多くの人のお世話になってきました。昔ある人に言われた「俺に恩を返そうとしないで他に回せ」という言葉が心に残っていて、迷っている誰かの手助けができたらと思っています。これからはこれまで出会った人との関係を深めつつ、新たな出会いも大切にしながら、農業以外のことにもチャレンジしていきたいです。

 

  • 和田さんイメージ1
  • 和田さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

コロナ下で、皆で集まることが難しくなっていますが、その中で生き方を模索したり、新しいことを始めようか悩むときもあると思います。そんなときはぜひ遊びに来てください。仲間をつくって、わくわくすること、どんどんやっていきましょう♪

 

取材年月日:
2022年3月9日