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道東

釧路公立大学経営学科4年生  土田 栞 さん【白糠町】

マタニティに優しく寄り添うアプリを開発

1994年生まれ、白糠町出身。現在も白糠町から車で大学に通う生粋の「白糠娘」だが、大学2年生の時には、語学留学のため、カナダのバンクーバー市で4か月間のホームスティの経験を持つ国際派でもある。

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きっかけ
 「栞を妊娠していた時は、陣痛がひどく、記録するのに苦労したのよ」と母から聞いたことがスマートフォン向けのアプリ「陣痛ダイアリー」開発のきっかけです。特に、初めて出産する方は痛みに加え、不安と闘いながらの日々となります。スマホで手軽に記録できるアプリがあればマタニティの負担が減るはず、と考え開発を始めました。病院から遠隔地に住む方にとっても、手軽に記録できて病院連絡の際に役立つので、不安解消につながるのでは、と思っています。
苦労
 ITの知識に乏しく、妊娠も出産も未経験ですので、開発当初は「本当に大丈夫かな」と考えました。どの程度のニーズがあるかも未知数でしたし。アプリをより身近に感じてもらい、利用しやすいようにするために、マタニティの模擬体験もしてみました。陣痛というマタニティに非常に負担のある状況で使用してもらうため、安全性と正確性には特に注意し、医療関係者の方を中心に多くのアドバイスを受けました。苦労は多かったですが、その分、達成感も大きかったですね。
満足度
 開発の際には、医師や看護師、助産師の方から多くのアドバイスをいただきました。また、機能の検証では、お産の時期を迎えているマタニティの自宅を訪問し、彼女たちの要望を聞き反映させました。実際に使った方からは、「初めての出産で不安があったが、このアプリのおかげで安心してお産の時期を過ごすことができた」との評価を受け、大変うれしかったですね。内閣府の「2015年度女性のチャレンジ賞」を受賞できたことも、多くの方に協力いただいた結果だと思っています。
これから
 今回のアプリ開発では、一つのものを作り上げていく楽しさを経験しました。できあがったものを評価していただいたことはもちろんうれしいのですが、それよりも、さまざまな方の協力をいただき、開発したアプリを地域社会に向けて投入する過程が何よりも大きな財産になりました。2016年春には、社会人になります。開発系の仕事ができるかどうかは分かりませんが、いずれ結婚し、家庭を持ち、30代、40代になっても、仕事と家庭を両立していきたいですね。

北の☆女性たちへのメッセージ

「マタニティに思いやりを」というコンセプトでアプリを開発しました。開発を通じて、医療過疎地域の現状も知ることができました。出産は、配偶者の方の理解と協力が不可欠です。社会人になっても、女性が安心して出産できる環境作りに向けて役に立てれば、と思っています。

取材年月日:
2015年10月24日