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オホーツク

株式会社 米夢館 ごはんソムリエ 佐野 由希 さん【美幌町】

マチの米屋ならではの創意工夫で、その旨さを広めたい

1978年生まれ、北見市出身。市内の高校、本州の短大を卒業後、母の向真理子さんが代表を務める美幌町の米夢館へ入社。「ごはんソムリエ」の資格を取得し、より専門的な知識とともに米の魅力を広めている。

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きっかけ
 短大は音楽科でしたので、将来は音楽の道へ進むことも考え、教員免許も取得しました。しかし、「お姉ちゃん、卒業後はどうするの?お母さん、待っているよ」と一言、妹に言われたのを機に決心しました。1927年創業で現在、母が三代目を務める米夢館へ卒業と同時に入社し、お米に関する知識を経験とともに深めていきました。さらに、専門家としての肩書きがあると仕事の幅が広がると思い2010年、代表の母とともに「ごはんソムリエ」の資格を取得し、オホーツク管内初の「ごはんソムリエ」として注目されるようになりました。
苦労
 お米は現在、スーパーやドラッグストア、コンビニなど場所を問わず販売・購入できるようになりました。そのため、米屋が同じ土俵に立っていては太刀打ちできません。うちならでは創意工夫で、農家さんが丹精込めてつくったお米を、その思いとともに届けることが使命だと感じています。ただ、これが難しい。社会科見学で訪れた小学生の「ご飯はおいしくない」との言葉に、米本来の甘みやうま味を知らないのだと衝撃を受けたことがあります。「質より量」という考えも否定できないですし、本当に日々、試行錯誤の連続ですね。
満足度
 お客様が求める好みのお米は千差万別です。そこが「ごはんソムリエ」の力量を問われる場面でもあります。好みを細かく伺い、商品を提案し、召し上がった後に「おいしかったよ」と言っていただけることが一番嬉しい。炊き方やおすすめの料理などを相談されることも嬉しいですね。また、「田んぼの広がる風景を残したい」という代表の思いから、1996年に米粉100%の「お米シフォン」を初めて完成、更に、社員のアイディアを生かした月イチ商品や、餅米であんこを包む「さかさおはぎ」の登場など、やりがいを感じています。これら「米屋のスイーツ」も、おかげさまで大変ご好評いただいております。
これから
 人とのつながりやご縁に感謝しながら、地域に根ざし愛され、気軽に立ち寄ってもらえるお店づくりを目指していきたいですし、私が大好きなお米を気軽に食べてもらう工夫も続けていきたいです。お米を小分けで販売することではあれこれ試せるほか、贈答品として、また意外なところでキャンプ用としてライダーに人気です。忙しい方のために炊飯ジャーでの炊き立てご飯の受け渡しを検討しています。催事販売のおにぎりの定番化や、精米工場の見学などを通じて食育に力を入れていきたい…やりたいことは山ほどあります!
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北の☆女性たちへのメッセージ

「人生一度きり」。まずはチャレンジすることが大切ですし、つらい時にこそ動いてみましょう。出る杭は打たれますが、出てしまえば良いのです。きっと自分なりの道は見つかると思いますよ。支えてくださる周りの人へは「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えましょう。

取材年月日:
2017年7月28日