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道南

株式会社シンプルウェイ 代表取締役  阪口 あき子 さん【函館市】

自分を生かすために選んだ「起業」の道

1973年生まれ、静岡県出身。静岡県立大国際関係学部卒。29歳の時、結婚を機に移住した函館市で起業した。8㎜フィルム工房、イカール星人関連事業、函館市公式観光情報サイトの運営などを手掛ける。

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2015年、会社設立12周年祝いの席でスタッフとともに撮影

きっかけ
 大学時代、就職活動をするにあたり、自己分析と理想の人生について検討しました。自分の持ち味は「リーダーシップ」「行動力」「発想力」。しかし、多くの会社が女性に求めるのは、男性のサポート役です。既存の組織では生きづらいことを察し、30歳までに起業すると決意しました。社長になれば、配属や昇進での男女差別とは無縁で、育児と仕事との両立も可能だと考えたのです。あれから20年がたち、残念ながらその差別がいまだ残ることを憂慮しています。変わるべきは、男性、組織、そして日本人の働き方だと思います。
苦労
 起業の修行と位置付け、ベンチャー企業に就職。7年間働きました。ハードワークでしたが、営業先でさまざまな事例を間の当たりにしながら、ビジネスプランを練るのは楽しかったですね。その後、移住先の函館市で起業しましたが、いざやってみると、サービス内容やPR方法、経理…。思い通りにいかないことだらけで、2年間は1日も休まず、目の前の穴を埋め続ける感じでした。ようやく立ち上がったのが、個人の思い出映像をよみがえらせる「8㎜フィルム工房」。注文メールがずらっと並んだ日の感動は忘れられません。
満足度
 8㎜フィルム工房の成功で会社を軌道にのせた後、函館市からYouTube用観光CMの制作を受託。その仕事で誕生させたのが、ご当地キャラクター「イカール星人」です。Web累計再生180万回を超えるヒットとなり、2014年には函館朝市に公式ショップ「イカール星神社」を開業しました。私が今、自由に楽しく仕事ができているのは、メンターであり、あらゆる面でサポートしてくれる夫のおかげです。男性でありながら1年間の育児休暇を取るなど、仕事と同等に家庭を大切にしてくれる人と結婚できて幸せです。
これから
 50歳で海外移住、という夫婦共通の目標があり、それまであと7年。今までの経験や人脈を生かして、函館でもう一つ何か新しい事業を立ち上げたいです。同時に、10歳の息子はもうしばらくは親を必要としていますので、子育ての時間を楽しみたいです。海外に移住した後も、日本人の感性を生かしたビジネスをしたいと考えています。自分にも、世の中にも、いろんな可能性が満ちあふれていると感じます。これからが楽しみです。
  • 阪口 あき子さんイメージ1
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北の☆女性たちへのメッセージ

1人で頑張りすぎず、周りの人に上手に頼りましょう。また、女性の場合、所属する組織や、お客様との相性が大事だと思います。男尊女卑に正面から挑むのではなく、性差関係なく評価してくれる方を相手に実績を積んで、自分の評価をうまく上げていきましょう。

取材年月日:
2016年2月23日