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道南

有限会社緑友会 六輪村

農業を楽しみながら次世代への種まきを

北斗市内の農家6戸の女性たちが「規格外野菜を捨てることがもったいない」という思いから、1997年に「六輪村」を立ち上げた。直売所をはじめ、そば・豆腐・味噌等の加工体験工房、ランチレストラン(金・土のみ)等を運営。現在のメンバーは4人。

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きっかけ
 農業をやっている中で、農協の規格に合わない野菜が捨てられるのがもったいないと、ずっと思っていました。それで、規格外野菜や花を道路脇で無人販売していました。そんな時、渡島支庁(現在の渡島総合振興局)の事業で青森県の農家に視察に行き、そこで直売所をやっていて「これをやりたい!」と思いました。農家の女性って、外に出る機会も少なくて、下を向いて仕事ばかりしているじゃないですか。それも変えたいと思って、農家の女性6人で、1997年4月に「六輪村」を立ち上げました。
苦労
 今まで無人販売はしていましたが、自分たちで売るって初めてでしたから!まず「いらっしゃいませ」が言えませんでした(笑)。人気のトマトジュース「とっても!トマト」は、それまで農協の加工施設を借りて作っていたので、2005年に新たに自分たち用の加工施設や体験工房を建設し、有限会社化しました。そこからがまた大変!農家の経理はやったことがあるけど、会社の経理は初めてで知らないことだらけ。ポップ(広告)を作ったりパソコンで資料を作成したり…畑での野菜づくりだったら何でもできますが、それ以外のことは全部大変です(笑)。
満足度
 生産者って、消費者の方とお話しする機会が少ないんですよね。直売所で話すと、生産者が知っているおいしい野菜の食べ方と、消費者の方が持っている知識が案外違うことがわかりました。そこで2008年にランチレストラン「小昼(こびる)」をオープン、野菜のおいしいレシピ等も伝えています。最初の直売所は、夫たちが作ってくれた田んぼのはしのビニールハウスで、あまり人が来なかったので住宅地に近い今の場所に移りました。そしたら少しずつお客様が来てくれるようになり、夏場は道路に駐車が増えて!嬉しい悲鳴でした(笑)。
これから
 今、農業人口が減っています。地域の基幹産業が農業なのにこれではいけないと思って、市街地の子どもたちにも地元の産業に興味を持ってもらうため、2015年に「赤とんぼのまちプロジェクト」を立ち上げました。市街地の方や保育園、小中学校の子どもたちに農業を体験してもらったり、地元の農業高校や農業試験場に見学に行ったりと色々な活動をしています。一番の目的は、自分たちが引退してもこの素晴らしい農業がいつまでも続くことです。楽しみながら、次世代への種まきをしていきたいですね。
  • 六輪村さんイメージ1
  • 六輪村さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

私たちがこうして活動できるのは、仲間がいて地域の方々が協力してくれるからです。地元を盛り上げたいと思った時、野菜づくりと同じように周囲を気遣い、地域の方々と関わって育てていかなければなりません。周囲に頼ることも大事だけど、自立した自分の考えもしっかり持ってね。

取材年月日:
2016年11月25日
(代表の東寺百合子さんにお話をお伺いしました)