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道央

クロスカントリー・車いすマラソン選手 新田 のんの さん 【札幌市】

挑戦しつづけ、夢の舞台パラリンピックへ

1996年生まれ、札幌市出身。下半身の神経全てに影響する腫瘍のため足に障がいを持って生まれる。車いすマラソンでは国体などで優勝。クロスカントリーでは2016フィンランド、2017札幌、平昌(韓国)ワールドカップに出場。2017年4月より北翔大学に在学中。

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きっかけ
 車いすで参加した小学校のマラソン大会ではいつもビリで悔しい思いをしていました。小3の時、発達医療センターの先生の紹介で車いすマラソンを始めました。それがすごく楽しくて・・・。中3の時に応援してくださる方から競技用のレーサーを提供いただき、本格的に大会に参加するようになりました。クロスカントリーは2015年12月から始めました。最初は、知人から旭川で体験会があるからと誘われ、いってみるとそこは強化指定選手の合宿でした(笑)。それでもとても楽しかったので、早速、旭川の大会に出場しました。参加者は2名でしたが優勝することができました。
苦労
 大会では障がいの程度によりクラス分けされるのですが、先天的な障がいを持った選手が少なく、海外の試合では自分のことをうまく説明できず、もっと語学も勉強しなくてはと思いました。また、練習に行くにも親やコーチに送迎してもらわなくてはならず、運転免許を取得したので、これからは自分でも積極的に練習に行きたいと思っています。同年代の選手がほとんどいないので一緒に練習をしたり、競い合っていけるような仲間が出来たらなと思うことがあります。遠征や用具の費用捻出も大きな課題です。
満足度
 車いすマラソンでは、これまで国体など数々の大会に参加し、優勝することができました。また、クロスカントリーでは、世界のトップとはまだ3分以上の差がありますが、競技を始めて1年足らずでワールドカップで海外遠征にも参加することができました。昨年、クロスカントリーのシットスキーの製作費用などをクラウドファンディングで資金集めを行い、新聞での報道もあり、無事に目標を達成することが出来ました。小さい頃から応援していただいている方だけではなく、このことで私のことを知っていただいた方にもすごく応援していただきとても感謝しています。
これから
 目標はパラリンピック出場です。夏はこれまで、マラソンの短距離やハーフを走ってきましたが、2024年の大会に100mで出場したいです。冬のクロスカントリーでは、2018年平昌大会を目指しています。参加資格を得るには、あとタイムで40秒ほど短縮しなくてはなりません。また、銃の所持許可を取得し、ワールドカップ平昌大会ではバイアスロンの6㎞に出場しました。将来は競技の普及にも関わっていきたいですし、競技だけでなく、今春から大学に編入し、美術の教師を目指して勉強します。口頭で伝えられている美術技法などを楽しんで覚えてもらえるように伝えていけたらと思っています。
  • 新田さんイメージ1
  • 新田さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

何かやりたいと思ったら、思い切って挑戦してみましょう。楽しいことを見つけられると、他のことも頑張ろうって思えるようになります。車いすマラソンやシットスキーは障がい者のスポーツですがスピード感があり迫力があるので、ぜひ観戦していただければと思います。

取材年月日:
2017年2月24日