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道央

ファミリーホーム運営 三神 利恵 さん 【恵庭市】

子どもの成長を優しく見守り包み込む「お母ちゃん」

1972年生まれ、帯広市出身。同市内で大学を卒業後、帯広市内で就職。友人たちの育児の大変さを見て「子どもに深く関わることがしたい」と思い、実家がある恵庭市内で2008年から里親となる。現在は、ファミリーホームの養育里親として5人の子どもを育てている。

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きっかけ
 札幌市内で働いていた時、「子どもに深く関わる社会貢献的なことがしたい」と思い、実家がある恵庭市に移住し2008年に里親登録をしました。ここで、母親一人で仕事と育児を両立することの大変さを痛感し、シングルマザーをサポートしたいと考え、2013年に会社を設立しシングルマザー専用のシェアハウスを開設しました。しかし、そこに来る母親たちも幼少期に複雑な家庭環境で育っていることを知り、「まずは子どもをしっかり育てていきたい」と思い、2014年からはファミリーホームとして小学校3年生から1歳までの5人の子どもを育てています。
苦労
 子どもには何の罪もないのに、子どもたちは「親が育てられない」という状況を受け止めようと懸命にがんばっています。うちの子どもたちは、実親との関わりもあり、気持ちが不安定になったり不満や疑問が出てくることもあるので、そこはしっかり受け止めてあげたいと思っています。ファミリーホームの定義は、「施設ではなく家庭の中で育てる」というものですが、補助者など家族以外の職員が出入りすることで「家庭」ではなくなってしまう恐れがあるので、「普通の家庭環境」を作っていくように工夫しています。
満足度
 子どもたちが元気に成長してくれることが一番の喜びです。この気持ちは、一般家庭の母親と変わりないと思いますね。5人の子育ては、毎日バタバタして忙しいですが、「お母ちゃん大好き、甘えっこしたいの」と言って抱っこをせがまれると、子どもたち一人一人に向き合う時間をもっと作ってあげたいなと思います。みんなで旅行に行って帰ってきた時に、子どもたちが「やっぱり家が一番落ち着く」「家のご飯が一番おいしいね」と言ってくれると、「自分の家」と思ってくれていると感じて嬉しいです。
これから
 小学校で絵本の読み聞かせボランティアをやっており、高学年の子どもたちには里親にも当てはまる内容が描かれている「ふたりのおかあさんからあなたへのおくりもの」という絵本を読んで、「里親は特別なことではなく、色々な家族の形があるんだよ」と伝えています。里親を社会の中になじませていきたい、そして里親をもっと増やしていくために大人に向けても発信していきたいですね。今、不妊治療の末に里親を選ぶ方も多く、若い里親が増えています。里親を、もっと柔軟に受け入れてくれる環境を作っていきたいです。
  • 三神さんイメージ1
  • 三神さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

何かやりたいことがあったら、反対があってもやってみてください。反対以上に応援や励ましがあります。周囲の意見も大事ですが、自分の信じた道を進むことも大事です。もし諦めてしまったら、革新的なアイディアにふたをしてしまうかもしれませんよ。

取材年月日:
2016年8月29日