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道央

ユニバーサルデザイン(有)環工房代表取締役、(公財)ノーマライゼーション住宅財団理事、FM三角山パーソナリティ 牧野 准子 さん【札幌市】

自分のできることを大切に丁寧に続けていく!

難病発症で休止していた会社を2017年10月に再開。2020年障がい当事者講師の会すぷりんぐ代表から顧問に。車椅子建築士目線でのまちづくりの調査・提言・講演活動や、心のバリアフリー、共生社会の実現に向けたインクルーシブ・ダイバシティー、SDGsの観点での発信の他、障がい者雇用サポートにも力を入れている。

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きっかけ
 4年前、難病発症後休止していた会社を再開。25年前にとても頑張って起業し、思い入れも愛着もある会社なので、もちろん不安もありましたが、やらずに後悔するよりやって後悔しようと、一念発起で再開しました。障がいを持ったからこそわかったこと、私だからできることをしたいと思い、まちづくりや共生社会のため、バリアフリー調査や提言、心のバリアフリー講演会の他、ユニバーサルツーリズム(どんな人でも行ける観光)をまとめたものを出版。また、今年初めて市の研修事業を受託し、ハンディがある私でも頑張れば色んなことができるのだと、階段を一段上れた気がします。
苦労
 大変だと思って活動したことはないのですが、とことん納得がいくまでやらないと気が済まない性格のため、頑張りすぎてしまうことがあります。色々な活動をしていますが、私の活動の軸である共生社会の実現のためには情報発信の場がもっとほしい。コロナ下で、オンラインでの講演会を行っていますが、やはり、車椅子に乗っている私の姿を間近で見て知ってほしいです。特に子ども達とは、表情のわかる距離で直接ふれあいたいですね。また車椅子に乗って町を歩く体験など、当事者サイドの目線からの講習もあると、たくさんの気づきがあると思います。
満足度
 全力投球で頑張っているので達成感がありますが、特に、講演会などで、感想やコメントをいただき、私の伝えたかったことが伝わっていると感じると、とても元気をもらえます。いつも丁寧にやっていることが誰かに伝わることで私自身のやりがいとなり、もっと頑張ろうという気持ちになります。なんと言っても「ありがとう」や「頼んで良かった」などの言葉は最高のご褒美ですし、リピートやご紹介など、次の仕事につながると、さらに嬉しくなります。また、同じ方向性を持つ仲間との活動がモチベーションとなり、色々な活動につながっていると思っています。
これから
 まずは自分に与えられた役割をきちんと果たして、頼んで良かったと言ってもらえるようにすること。車椅子の当事者だからこそ分かることをまちづくりに生かして、誰にとっても優しい環境になることを目指していきます。たとえすぐに結果が出なくても、なぜ、何の為にするのかをしっかりと持ち、目的に向かって進んでいきたいです。また、コロナで発信する場がなくなった時、新たにアニメーション動画の作成に挑戦しました。それを生かしてわかりやすい動画配信で子ども達に情報発信をしたい、それから新しい本を出したいなど、他にもやりたいことは山のようにあります。
  • 牧野さんイメージ1
  • 牧野さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

信念を持って本当に自分がやりたいことを頑張っていれば、必ず応援してくれる人が現れます。諦めずに続けると経験と実績につながり信頼も生まれるような気がします。それと「受け止め方で結果が変わる」こと。良い方向に解釈すると結果も良くなるものです。

 

取材年月日:
2021年11月4日