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道東

くしろ子育てネットワークHaport(代表 伊藤美也子さん)

人とつながり、思いを届け、幸せな子育てができるまちへ

2017年11月設立。転勤族の妻をはじめとしたママ達が情報発信やイベント開催など様々な取組を展開し、活動の幅を拡げるとともに、市の子育て円卓会議の専門委員として子育て世代の声を届けるなど、釧路の子育てになくてはならない存在となっている。令和4年度北海道男女平等参画チャレンジ賞を受賞

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きっかけ
 夫の転勤で釧路へ来たばかりの頃、子育てや街に関する情報発信がないことにとても不便を感じました。でも住み始めてあちこち訪れてみると素敵な場所が沢山あり、子連れで楽しめる公園やお店の情報など、自分のワクワクを毎日ブログで発信。すると次第にフォローしてくれる人が増え、もっと情報が欲しいという声が集まるようになりました。転勤族の多いこの街では、ママ達は情報不足で困っている。だったら本格的に情報発信する体制を作ってみようと、くしろ子育てネットワークHaportを設立。「住んだ街で楽しみたい」という思いで、転勤族の妻を中心としたママ達の協力のもと、交流できる場づくりを始めました。
苦労
 最初はSNSでの情報発信と月に1回の交流会を行っていましたが、情報誌を望む声が多くなり、釧路新聞社さんの協力で念願のフリーペーパーを発行することに。市内のママ達に「ハポライター」として記事を書いてもらい、そう高くはないパソコンスキルを駆使して編集した子育て情報誌Haportは、年2回市内の子育て家庭に配布されています。活動の中心となっているのが転勤族の妻ということもあり、きちんとした組織として定着するのが難しいという課題はあるものの、サポートメンバーだけでなく多くの市民の方に、それぞれ無理のない範囲とタイミングで協力してもらうというスタイルでイベントを開催しています。
満足度
 活動を続けるにつれ、市や道など行政の支援が得られ、助成金を活用した大きなイベントもできるように。最初の頃は、例えばおさがり交換会を実施するにも、スタッフがおさがりを直接受け取りに行くなど、労力も経費もなかなかのものでしたが、今では市内の子育て支援センターに回収BOXが設置されています。また、市の子育て円卓会議の専門委員として親達の声を行政に届ける中、要望の多かった屋内の遊び場が実現。既存の施設を活用し、週1回の「ちびっこマンデー」として親子で思い切り遊べる場所ができました。皆の声を集めた提案・発信に行政が耳を傾け、応えてくれる、子育てのしやすい街だと感じています。
これから
 Haportは、アイヌ語でお母さんの「ハポ」と、港や接続の意味を持つ「ポート」の造語で、ママ達がつながる居場所でありたいという思いを込めた名前です。これから釧路に来る人達も含め、縁あって同じ地で子育てをする皆が、子どもと自分の幸せを第一に考え、安心して暮らせるまちにしたい。そしてこれから先、活動の形は変わっても、この思いがつながっていくことを願っています。今後は、若い世代とシニア世代が情報を共有してつながることができるように、片面は子育て、もう片面はシニア向けの介護や病気・終活といった情報を1冊にまとめた、様々なライフステージに役立つ情報誌を作ってみたいと思っています。

北の☆女性たちへのメッセージ

4児の子育てをしながらの活動は無謀と思われることもあるかもしれませんが、転勤族という武器で得た全道各地とのご縁は宝物。どんな環境でも行動を起こす、継続することで景色が変わることを実感しました。私もチャンレンジしてみよう!という連鎖があれば嬉しいです。

取材年月日:
2023年1月30日