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オホーツク

チューリップ栽培愛好家 片岡 節子 さん 【湧別町】

「1日を大切に生きる」、人と人との繋がりが活力に

1955年生まれ、湧別町出身。東海大学建築学科卒業後、東京都の大手建設会社に入社(一級建築士)。帰郷して実家の建設会社を手伝う。体調不良となった夫に代わり、家の中心的存在として農業に従事。その傍らチューリップ公園のボランティアガイド等の地域活動に参加。現在は農協にパート勤務。

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きっかけ
 地元中学では女子初の生徒会長を務めるなど好奇心旺盛で男女の差を意識せず生きてきました。建設業界にいた頃は、図面作成などで女性特有の細やかさは評価されましたが、女性はお茶汲みなど簡単な仕事だけが当たり前の時代だったので、職場では男性中心社会との闘いでした。16年前、義父が癌を患ったことで、自分も検診を受け、癌を早期発見でき、「明日死ぬかもしれない、今日できることは今日やる」「日頃から1日を大切に生きる」をモットーに、仕事をしながら家事、子育て、介護をこなしつつ、様々な地域活動を続けてきました。
苦労
 建設業から一転し農業をはじめる際には、何もわからない中で多くの方に支えられ、人が助けてくれるありがたさを実感したので、農業をやって良かったと今でも思います。農業に誇りを持つと共に自然の素晴らしさを発見でき、作業の合間に写真を撮ることが息抜きになりました。力仕事もありますが、「『女性だから』できない」と言われた時は納得できず、「『あなたには』の間違い」と反論します(笑)。日々を大切に生きることは難しいことで、「来年はいないかもしれない」という状況に陥らなければわからないのが悲しいところです。
満足度
 チューリップの魅力を知ってから写真を撮るようになり、癌で入院していたときに、これまで撮り続けた写真を整理してまとめたものが11年前からチューリップ公園などで活用され、以来「チューリップおばさん」の愛称が定着しました。テレビや新聞の取材を受けると共に、投稿がライフワークとなり、人と人との繋がりが広がっていくことに喜びを感じます。チューリップ公園でボランティアガイドをしていると、「テレビに出ていた方でしょう」と声をかけられたり、新聞記事を読んだ方からお手紙が届いたり、時には訪ねてくる方もいます。
これから
 最近まで町の社会教育委員を務め、地元合唱団の代表も続けています。人との繋がりで映画鑑賞会や音楽コンサートの企画運営を任されるほか、仲良くしている町社会教育委員長の宮澤さんと共に様々な地域活動に精力的に関わっています。チューリップ図鑑も年々数が増え、今では8冊800種類以上の写真をファイルしています。忙しくなるとチューリップ公園に通う時間もないので、自宅の庭でチューリップ400種類以上を栽培し、写真を撮っています。外での活動が充実している代わりに、家の中はなかなか片付かないのですけどね(笑)。
  • 片岡さんイメージ1
  • 片岡さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

趣味やボランティア活動などで深まる社会との関わり、広がる人との繋がりが、心豊かに生きる力を支えてくれると実感しています。仕事を持つ主婦が活動をするには、多少の家事の手抜きも必要。夫の協力があって活動できれば、元気も倍増です。

取材年月日:
2016年10月25日