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道央

じゅうごばあ 〜ニセコ食品加工研究サークル〜 【ニセコ町】

地元産品を使った「お母さんの料理」を伝承

ニセコ町の社会講座で地元食材の加工勉強を行ったのが始まり。2008年には洞爺湖サミットに協力出店。10年に地産地消と地域活性化の功績で町、道、国土交通大臣から相次いで表彰を受ける。現在の会員は、30代から80代までの20人。

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きっかけ
 15年ほど前にニセコ高校の女の子たちと、ニセコ町でペンションを経営していた西野洋子さんのところへ “じゃがいもの食べ方”のお勉強に行ったのが最初。西野さんとは、農村文化・食文化振興の講演も聞きに行き「ニセコでもしたいね」と共鳴し、研究を始めました。町民センターを利用したかったため、2002年に食品加工研究サークルとして町の文化協会に入りました。最初の作品は、規格外で捨てられているトマトを使ったトマトスープやジャムでした。
苦労
 7年ほど前、いもだんご汁を作り始めた頃、東京都のレストラン経営者から「ニョッキをやってみないか」と言われて、8か月の間、注文を受けて送ったことがあります。ニョッキはイタリア料理の一種でジャガイモと小麦粉を混ぜて作る団子のこと。大量の発注に応えるためにがんばりましたが、この作業に時間を取られ、まるで「女工さん」状態。それぞれ家事の負担もあるので、家内工業では限界があると判断して、ニョッキの生産を断念したことがありました。
満足度
 2004年に、ニセコ町の家庭料理を持ち寄って、町民に呼び掛けて「食の展覧会」を開きました。予想を上回る120品が集まって、その時のメニューを本にまとめました。そうしたこともあって「この会、面白そうだ、料理を覚えられそうだ」と会員が増えました。「じゅうごばあ」は、2007年にホテル甘露の森とのコラボで2か月間昼食を出店した時にメンバーが付けた名前。当時はメンバーが15人いて、加工研だと固いイメージがあるので、この名称になりました。「ばあ」という響きには少し抵抗がありましたけども(笑)。
これから
 ニセコ町内で始まったことだから、町の方々に愛され、地域に密着しているということが大事だと思います。私たちが覚えていることを「教えて」と言われたら喜んで伝えてあげます。教えた方からは「とても美味しい」「また作りたいな」と言ってもらえるので、こちらも張り切ってしまいます。今は幼児センターのお母さんたちに魚のさばき方を習いたいと頼まれています。若い方にも「じゅうごばあ」に入ってもらって、地元のおいしい「お母さんの料理」を伝えていってほしいですね。
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北の☆女性たちへのメッセージ

今は子育てしながら働く時代。私たちは「来られない人は来なくていいの、来られる人で集まるから」というグループ。互いに交流を深めて地元の料理を作れる方を増やし、この活動を受け継いでほしいと思っています。

取材年月日:
2015年11月26日