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道央

みついし昆布株式会社 代表取締役 磯貝 節 さん【新ひだか町】

気軽に昆布を味わえる、女性目線のアイデア商品

1929年生まれ、三石町(現新ひだか町)出身。札幌の女学校を卒業後、三石町役場の職員として勤務。その後、町の保育園で23年間保育士・管理職として勤務、創業者であった夫の急逝を機に1990年「みついし昆布」を引き継ぐとともに日高地区漁婦連合会長に就任(2002年まで)。

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きっかけ
  町の保育園で二十数年勤務しておりましたが、1989年に「みついし昆布」創業者であった夫が急逝し、悲しみに明け暮れる暇もなく、会社をどうするか決断を迫られました。「昆布は男の商売」と周囲の冷ややかな反応も一部あったのは確かですが、翌年、長女(故人)、長男の嫁の女性3人で会社経営を引き継ぐことにしました。同時に、日高地区漁婦連合会長も引き受け、「和の心」を持って皆さんと一緒に頑張っていきたいことを伝え、その後12年間、様々な経験をさせていただくことになったのです。
苦労
  最初は右も左も分からない状態でしたが、夫の漁師仲間にずいぶん助けられました。良質な昆布を取引できるのも、信頼のおける漁師さんあってのこと。また、「(昆布は)長いものほど良い」という先代の考えから、女性ならではの「使い勝手の良い商品開発」へと転換しました。昆布の加工は手作業のため、いかに手早く綺麗に仕上げられるかが重要ですので、パート従業員には、感性を養う意味も込めて茶道に触れる機会を設けています。楽しく笑顔で働いてもらうため、創意工夫を凝らしています。
満足度
  弊社では甘くてうま味成分が高い一等品・二等品の昆布を中心に取り扱っておりますが、栄養成分にも優れ、日本の食文化に欠かせない昆布を手軽に味わっていただくため、「みついしきざみ昆布」を誕生させました。ダシではなく、「食べる昆布」として現在も好評ですし、他にも無添加のドレッシングや自分で作るふりかけ、昆布の風味がクセになるソフトクリームなど、商品も多彩となりました。また、茶道(裏千家)の指導もしており、生徒さんや茶道仲間と過ごす時間が仕事の場でも役立っています。
これから
 これまで紆余曲折がありましたが、1957年の創業以来、会社を守っていくことができ、まずは現状を維持することが大切だと考えております。昨年、家業と生活クラブ生協の活動を精力的に行っていた長女が亡くなり、勤め人だった長男が長女に変わって経営に携わるようになりました。これからは長男のカラーで築き上げる変革期ですので、あまり口を出し過ぎず、見守るスタンスでやっていくつもりです。今後も週末は店頭に立ちながら、お客様との会話を通して昆布の魅力を直接伝えていきたいと考えております。  
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北の☆女性たちへのメッセージ

  目標は高く掲げた方が良いと思います。何事も気の持ちようですので、常にプラス思考で物事を捉えるようにし、日々頑張ること。そして、何より大切な事は「素直な心」を持つこと。努力は必ず報われますので、笑顔を忘れず過ごしてみましょう。

取材年月日:
2017年10月26日