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道北

國稀酒造株式会社 企画室 井村 裕子 さん 【増毛町】

雰囲気ひとつに「お客さまが主役」のご案内を心がけて

1955年生まれ、増毛町出身。留萌高校卒業後、小樽市で観光会社の販売員等を経験し接客業を習得。2007年、母との同居のため郷里に戻り國稀酒造と出会う。きめ細やかな施設ガイドが観光客に人気。2015年、國稀酒造の創業者と関係の深い小樽市の『観光大学』案内人マイスターを取得。

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きっかけ
 学生時代から、歴史文学の本を読むことが大好きで、その趣味が高じて、國稀酒造のルーツや周辺の情報、他地域との関連性を調べることに熱中するようになりました。國稀酒造に勤めることになったのは全くの偶然です。この様な歴史的な建造物などに触れ、「せっかくなら」と、徹底的に調べてみました。これがガイドにもとても役に立ち、地域のお客さまには、より良く地元を見直してもらえ、他地域の方には、増毛町との関係性など知って喜んでもらえ、ますます興味がわき、継続してきました。今では、國稀酒造との出会いも天命かと思っています。
苦労
 元来、人前に出ることが苦手で、ガイドの役割に慣れることから始まり、案内をしてみると、時間配分、声量、間に気を使います。また、通り一辺倒で独りよがりの説明では、お客さまの気持ちは掴めませんでした。お客さまは、こちらに知識があるという前提で質問してこられますし、出身地などのお人柄の下調べが出来ない予約外の方や専門分野の方もいます。興味をもって頂きたいので、私自身の探究心もありますが、どんな方にも笑顔で案内に参加してもらえるよう、様々な土地や職業など情報収集し、話題に出来るようにしています。
満足度
 私が案内した全国各地のお客さまから、御礼のお手紙や写真が届きます。また、私を指名してくださるツアーのお客さまやリピーターの方も増えてきています。自分が目標にしている「お客さまを巻き込んだ、お客さまが主役」の案内が、受け入れられて喜んで頂けていることを、とても感じるようになりました。外国のお客さまであっても、言葉は通じなくともユーモアは通じます。障がいのある方も、お年寄りも、個性に合わせての案内を心がけることで、「楽しかった」の嬉しいお言葉を頂くことが出来ています。
これから
 案内がマンネリにならないよう自戒しつつ、増えてきている外国のお客さまへの対応力をさらに高めようと、英語の勉強もしています。ボディランゲージを併せ、自分の言葉と気持ちを込めてコミュニケーションが出来れば、もっと楽しんで頂けると思います。また、これからの観光産業発展のためには、増毛という一地域に止まることなく、オール北海道、オール日本体制が必要な時代に入っていると思います。私自身、全国各地に仲間が居て色々な情報共有を図っていますので、そのようなネットワークを通じて気運を高めていきたいですね。
  • 井村さんイメージ1
  • 井村さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

家事は年中無休ですが、目の前の仕事に追われると本当にしたい事が後回しになります。とかく女性は完璧を求めがちですが、「逃げられないこと」と、とらわれず、優先順位をつけて、家事の断捨離をしてみてください。手抜きもシェアする勇気も必要ですね。

取材年月日:
2016年11月30日