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道央

喜茂別旧双葉小学校史料館 雪月花廊 代表 今関 舞子 さん 【喜茂別町】

「いってらっしゃい」「おかえりなさい」で家族のような時間を

1975年生まれ、札幌市出身。静修女子短大(現・国際短大)幼児教育学科卒業後、札幌市内で幼稚園教諭として勤務。近所でインテリアショップ等を経営していた夫(愛称:ととさん)と2003年に結婚、2004年に喜茂別町に移住。夫、子ども3人と「雪月花廊」に住む。

※写真:今関さん(左)と夫のととさん

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きっかけ
 結婚する少し前に、ととさんが喜茂別町で廃校になった旧双葉小学校を借りて、アンティーク品を展示する史料館「雪月花廊」を作り始めました。誰もが通ったことのある小学校、ここに詰まっている思い出を廃校によって壊したくないという思い。そこに賛同して、「私も一緒にやっていきたい、こんなことを応援できるのは私しかいない!」と思って結婚しました。「人生は思い出が宝物」というスローガンのもと、生後6か月の長男と一緒に家族3人で喜茂別町に移住しました。先のことは深く考えず、家族の新しい生活を夢見ていましたね(笑)。
苦労
 元々小学校だった所に住み始めましたが、生活できる場所とお客様を迎える環境を整えるのが大変でした。古い建物なので、あちこち老朽化していましたが、直してもらうお金もないし…。設計や配管など建設作業に関しては素人ですが、手探りで作業していました。でも、不思議なことに困っていても必ずプロの方が助けてくださるのです!お風呂の配管は、以前左官だったという方が整えてくださり、雨漏りしていた屋根は、ペンキ屋さんが材料をくださって直し方まで教えていただいて、皆さんの力で雪月花廊を作っていただいています。
満足度
 雪月花廊には、アンティーク品の展示のほか、カフェやビリヤード台、露天風呂、キャンプ場等があり、いつもお客様でにぎわっています。お客様をお見送りする時は「いってらっしゃい」、お迎えする時は「おかえりなさい」という言葉を大切にしています。ここでの時間を一緒に過ごすと、不思議と家族のような関係ができあがってしまうのです。人と人とのご縁がどんどん繋がって、大家族のように楽しい時間を過ごせることがとても嬉しいです。かつては子どもたちの声が消えかかったこの校舎に、たくさんの人が集い笑い声が響くと、本当に良かったなあと幸せな気持ちになります。
これから
 疲れた時や何かにつまずいた時、ここに帰ってくるとなぜか元気になってまたがんばれる。そんなふうに言ってくださるたくさんの方々が「ただいま~!」と帰ってきてくれる。それが雪月花廊を続けていく大きな力になっています。古い校舎を維持していくのはなかなか大変ではありますが、一人でも多くの「ただいま」が聞けるように、少しでも長く続けていけたらと思っています。体育館や校庭など広い空間があるので、使い方によって限りなく可能性が広がります。おもしろいアイディアを持った方々にもっと活用してもらいたいですね。
  • 今関さんイメージ1
  • 今関さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

先のことばかり考えて心配すると何もできなくなるので、やりたいと思った時に動くこと。一人では難しくても、ぜひパートナーを見つけてやってみましょう。一生懸命やっていると、必ず助けてくれる人が現れます。失敗を恐れず、笑顔で、色々なことにチャレンジしてみてください。

取材年月日:
2016年11月22日