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道東

野生動物教育研究室WEL主宰、リバーガイドカンパニーNanook自然ガイド 橋田 真澄 さん【弟子屈町】

自然と動物と人間が共生できる環境づくりをめざして

1974年愛知県生まれ。北海道大学農学部動物生態学研究室を卒業後、1999年よりNPO法人ねおすに所属。阿寒摩周国立公園川湯エコミュージアムセンターに勤務。2002年より、野生動物教育研究室WELを主宰。2004年に結婚し、夫と二人で営むリバーガイドカンパニーNanook(ナヌーク)にて自然ガイドをしている。

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きっかけ
 北海道の自然に憧れを抱いて北海道大学へ。ヒグマの研究サークルで研究をしながら野山を歩き回る中、北海道の豊かな自然環境に魅了され、卒業後も道内で働く道を選びました。NPO法人ねおすで自然案内の仕事をしながら、野生動物との付き合い方を子ども達に伝えるため、野生動物教育研究室WELを立ち上げ、各地での動物教室の開催や、「ヒグマルールブック」、「ヒグマかるた」などの教材作りを行ってきました。自然が好きで人と自然の共存に貢献したいという思いから、道の自然保護監視員や、環境省の自然公園指導員を担当し、自然公園の適切な利用を呼びかけています。
苦労
 結婚後、釧路川のほとりで夫と共に、リバーガイドカンパニーNanookを立ち上げ、自然ガイド業を営んでいますが、同時進行で2男1女の出産と育児、そしてガイド業と、今思えば大忙しの日々でした。幼い3人の子どもを連れて、お客さんの送迎や食事作りなどとても慌ただしい日々でしたが、地域の人や友人の手助けと温かい言葉に支えられながら、仕事も子育ても楽しむことができたと思います。豊かな大自然の中で子ども達ものびのびと成長し子育ても一段落。これからはこの町の環境を将来に渡って保全する活動をガイドやまちづくりの仲間と協力して続けていきたいです
満足度
 アウトドアガイドのツアーには、毎年道内外からのお客さんが釧路川や道東の自然を楽しむために訪れてくれます。私達が暮らすこの地域の景色や自然環境に感動し笑顔になる場を共有できることに喜びを感じるのと同時に、豊かな自然の中での暮らしそのものが素晴らしい事なのだと実感できます。お客さんにも体験を通して、自然を大切に思う気持ちや、身近な自然への関心を持ってもらえたら嬉しく思います。また地元の子ども達と一緒に自然体験をする機会もあるので、生まれ育った町の魅力に気付き、ふるさとを誇りに思うきっかけづくりができたら良いと思っています。
これから
 私も夫も道外からの移住者ですが、この土地に根ざす事ができたのは、町の人や他の移住者との交流、役場の協力などがあっての事だと思っています。多くの人の支えがあっての今なので、これからは自分も地域にお返しできるよう、この町の魅力の発信や、新たに移住してきた人が住みやすくなるようお手伝いをしていきたいです。また、北海道の自然の素晴らしさを多くの人に感じてもらい、この環境を守っていくためにも、自然をテーマに色々な人の話を聞き合い、交流できる場づくりをし、野生動物と人間がより良く共生するための環境づくりについて、皆で考えていけたらと思っています。
  • 橋田さんイメージ1
  • 橋田さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

結婚や子育てなどで仕事のあり方も変わり、遠回りに思うこともあるかもしれません。でもその時間があったからこそより一層豊かになれる可能性があります。自分の好きなことを大切に、表現してみてください。北海道の素敵な人と自然が応援していてくれますよ!

取材年月日:
2022年3月11日