2

道央

北海道大学医学部医学科4年 箱山 昴汰 さん【札幌市】

男性の考え方を変え、お母さんに優しい世界を作りたい

1993年生まれ、愛知県名古屋市出身。大学4年次から2年間休学し、43か国を巡る世界一周の旅に出る。その旅の中で臨月の妊婦さんのお腹の重さと同じ10㎏の水を入れた妊婦体験ジャケットを現地の男性に着けてもらうプロジェクトを企画・実行。全世界で1070人に妊婦体験をしてもらった。

※写真:箱山さん(左)と妊婦体験ジャケットを試着した方

応援企業

印刷用PDF

―妊婦ジャケットと一緒に旅行することを考えられたきっかけは?
 高校3年生の頃、将来は国際医療に従事したいと夢見て、医学を志しました。大学入学後、様々な勉強をする中で母子保健に興味を持ちました。理由として、開発分野の中で特に困ってそうだと感じたことと、シングルマザーで育て上げてくれた母の存在があります。自らの母への感謝がお母さんという生き物自体に対する尊敬へと繋がりました。そして大学1年生の終わりに、ひとまず学生のうちに世界を知りたいと思い、休学して世界放浪の旅に出ることを決意しました。準備をしていく中で、自分だけの特別な世界一周にしたいと思い、夢である母子保健を取り入れた旅を模索し、妊婦体験ジャケットを閃きました。
―旅行中にご苦労されたことは?
 海外では妊婦体験の概念自体無い国も多く、趣旨を伝えるだけで一苦労でした。やってもらえそうだなという雰囲気の人に声をかけても3人に1人ぐらいしか体験してもらえず、嫌な顔をされたり馬鹿にされたりすることばかりでした。ひとり旅なので悔しい気持ちを日本語で近くの人に吐き出すこともできず苦しかったです。また、こんなちっぽけで訳の分からない活動に意味があるのかと自問自答する日も多く、自己嫌悪に陥ったりしていました。
―活動の中で嬉しかったことや、満足されていることは?
 妊婦体験をしていただいた後に「あなたの赤ちゃんや奥さん、お母さんを大切にしてください。女性を尊敬する心を持って、素敵なパパになってください」と伝えてきました。ときどき、目を潤ませてしっかりとこちらを見返してくれる方がいて、自分のメッセージが伝わったんだと嬉しくなりました。世界中にたくさんいる男性のほんの一部にしかメッセージを伝えることができませんでしたが、目の前の一人にしっかりと伝えられたと感じられたとき、この旅をしてよかったと心から思いました。
―これから、この体験をどのように活かしていきたいですか?
 妊婦体験ジャケットを着けてもらいながら世界一周した、全世界で初めての人になれたと思います(笑)。今回の旅は僕に自信をつけてくれました。子供が大好きなので、彼らを支えられる、しかも誰もしたことのないような仕事をして、僕らしく世界と関わっていけたらと考えています。また、一番の目標は僕自身が良いパパになることです。暖かい家庭を築いて、今度は妻や子供と一緒に世界を見て回りたいです!
  • 箱山さんイメージ1
  • 箱山さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

僕の見てきた世界は、本当に広大で冒険に満ち溢れていました。世界にワクワクして欲しいです。どんどん飛び出して行って欲しいです。その時、ぜひ強い目的意識を持って、自分の人生の舵を自分で切って行って欲しいです。あなた以外に誰にもできないような、スーパーすごいことが絶対にあります!

取材年月日:
2017年6月6日