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道北

び・ふらねっと 〜農家・デザイナーグループ〜 【富良野市・美瑛町】

ビューティフル4Kで農業を元気に

それぞれが暮らす美瑛町の「び」と富良野市の「ふら」を取って名付けた。メンバーの井川公子さん(1953年生まれ/美瑛町)、菅野三津子さん(1958年生まれ/美瑛町)、竹内紀代子さん(1956年生まれ/富良野市)は、それぞれの営農スタイルに応じた作品を提供する。

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きっかけ
 3人とも元々裁縫が好きで、近所の方に作ったり、エプロンや洋服をカフェで委託販売していました。2008年、美瑛町で開かれた「フィールド(農作業着)ファッションショー」への参加がきっかけで3人が出会いました。「このまま終わってしまうのはもったいない」と、知人の勧めもあり、内閣府の六次産業化プロジェクトの支援を受け「び・ふらねっと」をブランドとして立ち上げました。毎年、旭川市で展示会を開き、ファッションショーの依頼もあります。機能性に加え「きれい」「かわいい」「かっこいい」の“ビューティフル4K”がコンセプトです。
苦労
 それぞれの自宅で、時間の取れる時にアイデアを絞り、作品を作っています。みんな、営農スタイルが違いますが、農業の繁忙期に入ってからの注文は、お客様に少し待ってもらうことは多々あります。製作は主に、農業が一段落し、時間のとれる冬に集中的に行っています。家族に迷惑を掛けないよう気配りしながら、1に農業、2に主婦業、3でやっと製作です。将来、注文が増えれば部分的な外注も考えられますが、現在は個々人の全くの手作りです。本業と主婦業、製作のやりくりには、やはり苦慮しています。
満足度
 3人が農家に嫁いで30年ほど経ちました。当時の農作業着は地味で同じ型の物ばかり…。選びようもなく、仕方なくという思いで着ていました。「び・ふらねっと」の作業服は、3人3様の「あったらいいな」を形にしたものです。竹内さんはハウス作業が多いため「暑さ対策」。井川さんは外の作業が多く、訪問客も多いため「日よけ対策と携帯電話・スマホの収納」、菅野さんは機械作業が多く、「作業の邪魔にならない」が出発点です。女性はいくつになってもかわいいものが好き。この服を着て楽しく仕事ができる女性が増えてくれれば、と思っています。
これから
 今は、ネットからの注文や展示会用の製作をこなすのに精一杯ですが、将来的には、農作業着といえば「び・ふらねっと」と言われるようになれるといいな、というのが3人の想いです。今は、それぞれの営農経験からデザインをひねり出していますが、例えば、酪農の方にも使ってもらえる作業着も作ってみたいな、と思っています。最近は、農作業に関わらず、ガーデニングやウォーキング用のオーダーが増えています。需要の広がりと手応えを感じていますが、デザインの一層の充実が課題ですね。
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北の☆女性たちへのメッセージ

「かっこかわいいスタイルで仕事ができる!」。若い方も憧れる農業を目指し、後継者や嫁不足の解消ができればいいと思っています。食を支える農業は、とても大切な仕事です。3人3様の苦労があったからこそ生まれた「4K作業着」から、農業を変えていければと思います。

取材年月日:
2015年12月20日