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道央

里平食楽カモミールの会 代表 田中 静子 さん【日高町】

伝統の味をしっかりと受け継ぎ、食で人の心を癒したい

1958年生まれ、新冠町出身。静内高校を卒業後、実家で農業に従事。1980年に結婚、夫が農業を営む日高町里平に。地元の良質なお米や野菜を活かした食品づくりを通して、消費者の心を癒したいとの思いから、里平地区の農業主婦が集まり「里平食楽カモミールの会」を結成。

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きっかけ
 5年前に里平地区の農業主婦(佐藤さん、椎名さん、渡邊さん)と一緒に、地元の美味しいお米や野菜を使って、消費者の心を癒すことができるようにと「里平食楽カモミールの会」を結成。翌年、管内で一軒となった老舗の「高橋こうじ店」さんが後継者がなく閉店すると聞き、3年間、会のメンバーと一緒に約23km離れたお店に通って製法を学ぶことに。昨年11月には、自宅の物置を改造して約6畳のこうじ室(むろ)を整備し、地元産「ななつぼし」を使って生糀の製造を開始。今年2月から「生米(うまい)こうじ」の名前で販売を始めています。
苦労
 特に苦労したという記憶はありません。逆に、昨年、自宅の室でこうじ作り始めたときには、こうじ店の高橋好子さんに泊りがけで温度や湿度の管理を指導いただいたりして、感謝の気持ちしかないですね。1月には、新聞でも全道版で記事が掲載され、3月末にはテレビでも放映されたため、道内はもとより、全国から注文が殺到してびっくりしました。製造できる期間が11月から3月までなので、お客様に事情を説明するのが大変でしたが、同時に「よし、今年も頑張ろう」と思いました。
満足度
 こうじの製造サイクルは4日です。4日目の朝に、こうじ菌をまぶして寝かせていたお米が、綿をかぶった繭(まゆ)玉のようになっていれば、うまく出来上がった証拠です。その時は、安堵感や嬉しさで一杯になります。私たちの作ったもので、お客様が美味しいと感じて、心を癒していただければ、それは生産者である私達にとっても、この上ない喜びであり、私達の心も癒され、また頑張ろうと思う元気が出てきます。「カモミール」はハーブティー(癒し)としても有名ですが、消費者も生産者もともに喜び癒されることが私たちの願いです。
これから
 これからの目標は二つあります。一つ目は、百年、三代続いた「高橋こうじ店」の伝統の味をしっかりと受け継ぎ、忠実にお店の味を再現するのが、私たちの最大の目標です。二つ目は、塩こうじや醤油こうじ、甘酒を自分達で製造・販売することです。こうじは、漬物やいずし作り、味噌作りなどに欠かせませんが、どうしてもレシピが限られます。どのような料理に使うのか、お客さんにもお聞きしたりしてますが、一人でも多くの方にこうじの素晴らしさを知っていただくため、これから、商品の幅を広げていきたいと思っています。
  • 田中さんイメージ1
  • 田中さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

  北海道の冬は長くて厳しいですが、逆に何かができるチャンス、絶好の機会と前向きにとらえることも大事。何人か集まれば必ずよい知恵が出てきます。まずは、何かを始めてみる勇気を持っことですね。人とつながり、いきいきとした人生を歩みましょう。

取材年月日:
2017年12月23日