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道央

株式会社エムブイピークリエイティブジャパン 代表取締役 大海 恵聖 さん 【札幌市】

「かわいい」をきっかけに周囲と気軽に交流を

1967年生まれ、帯広市出身。高卒後、帯広信金に勤務し、結婚を機に退職。出産、夫の転勤を経て札幌市内に移住し、子ども3人の子育てが落ち着いた2004年から北洋銀行に勤務。2010年にリウマチを発症。2012年に退職し、かわいい福祉用具「デコ杖」の製作・販売事業を開始。

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きっかけ
 突然リウマチを発症し、闘病しながら銀行勤務を続けていました。病気になったことで、それまで私の中になかった「福祉」という視点ができ、銀行の待合いフロアでも車いすや杖など福祉用具に目がいくようになっていました。そんな時、キラキラしたかわいい杖を持っているお客様が来店され、とても素敵だったので話しかけてみました。障がいをお持ちの方に何かお手伝いしたくても、きっかけがつかめず話しかけられないことがありますが、かわいい福祉用具を通じて話がはずみ、壁がなくなると感じました。そこで、「にっぽんの福祉をかわいく」をコンセプトに、「デコ杖」の登録商標を行い、事業を開始しました。
苦労
 最初、事業の進め方の勝手がわからず、色々失敗しました。初めて業者に発注した商品が不良品で、返品しようとしましたが、契約書なしに発注していたこともありなかなか解決できず大変でした。また、不具合のある商品と気づかず販売してしまったこともあり、お客様から指摘を受けて、どのように対応するのがベストか悩んだこともありました。色々と経験を重ねながら、発注先が大手企業と個人事業主では契約の進め方も違うということや、お客様からのクレームにどう対応するかなど、事業のイロハを学んでいきました。
満足度
 福祉用具は便利で使いやすいものですが、かわいいものって少ないんですよね。当社は「かわいい」をコンセプトにしているので、イベントでブースを設置する時も一目で「かわいい」と見えるようにセッティングしています。お客様が当社のブースを見て「かわいい!」と言ってくれたり、福祉用具でなくてもかわいい雑貨を買って喜んでいるのを見ると、こちらも嬉しく感じます。さらに、当社の「かわいいもの」をきっかけに、お客様が周囲の人と会話したりつながったり、当社の製品が人の心の壁を取り払って交流するツールとして役に立てたなら、本当に嬉しいですね。
これから
 私はリウマチで手が思うように動かせない時もありますが、杖用のストラップや車いす型のピアスなど「ものづくり」をすることができます。病気や障がいがあっても、工夫すればものづくりができるということを伝えていきたいです。障がいの有無に関わらず、かわいいものを持つことで気軽に声をかけやすくなり、周囲の方々と交流を持つきっかけになると考えています。今まで「良い!」と思ったことをやってきたので、これからも思いついたことをどんどんやっていきたいです(笑)!そして、海外にも事業を展開していきたいですね。
  • 大海さんイメージ1
  • 大海さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

ネガティブなことが起きた時がチャンスです。今が踏み出す時と考えて、一生懸命やってみてください。失敗を恐れて何もしないより、やりすぎて失敗を繰り返す方が経験値が上がります。経験したことは自信と実績、次のステップへのヒントにつながります!

取材年月日:
2017年3月2日