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道北

旭川医科大学 復職・子育て・
介護支援センター「二輪草センター」

大地にしっかりと根を張る野花のように共同参画の和を

2007年10月の開設以降、託児システムや研修制度などを構築し、女性職員の復職支援を展開。開設前の企画段階から関わった旭川医大皮膚科学講座教授の山本明美さんが、2013年4月からセンター長を務める。2014年1月に北海道男女平等参画チャレンジ賞を受賞。

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きっかけ
 医師・看護師不足と、それに伴う地域医療の崩壊という深刻な課題の解決策として、女性の復職支援に取り組む「二輪草センター」を立案しました。2007年10月に開設し、旭川医科大学と付属病院の職員を対象に、病児・病後児保育、学童保育サポートなどを展開しています。シンボルの「二輪草」は、春に白い花が1本の茎から2輪咲く多年草。どこにでも咲いている野草ですが、大地にしっかりと根を張るように、男女共同参画社会が地域に広がるよう願いを込めて名付けました。
苦労
 開設前から、組織全体で医師不足という課題を共有し、協力し合って一つの方向に進んで来られたのでこれといった苦労はありませんでした。しいて挙げるとすれば、現在職員向けに、子育てや介護を経験した職員が講師を務めるセミナーなどを開催しているのですが、参加者を集めるのが大変です。仕事が落ち着く夕方に設定すると子育て中の職員の帰宅時間と重なるし、ランチタイムはシフト制の看護師らは参加しやすいのですが、医師は診察時間中のため難しく、試行錯誤しています。
満足度
 センター発足以降、女性の職員や幹部職員が増えました。組織としての満足度は100パーセントですが、センター長としては90パーセントでしょうか。子育て以外にも、親の介護や不妊治療など支援の必要な部分はあります。子育て世代が比較的若い職員なのに対し、介護世代は経験を積んだ幹部職員が多く、代わりの効かない職員が抜けた穴をどう埋めるかも現場の課題。不妊治療は公にしにくいデリケートな問題なので、普通の病気で通院するのと同じように、直属の上司に話せるような環境を作り上げることが必要です。
これから
 まだ行き届いていない、介護と妊活の支援に取り組みます。センターの事業を継続してくれる後継者の育成も、重要な課題です。将来、ワークライフバランスの考え方が定着していれば、センター自体が要らなくなっているかもしれません…が、ちょっとまだ先の話かと思います。我々センタースタッフも、つい長時間労働をしてしまい、周囲にプレッシャーを与えてしまっていたかもしれません。上手にワークシェアをすることが、勤務時間の改善と人材育成の双方につながると思います。
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北の☆女性たちへのメッセージ

今は、日本全体が女性に「もっと活躍しよう」と働きかけている時代。女性たちが能力を生かして、仕事ができる絶好のチャンスです。この機会にぜひ、自分の能力を生かせる場所を探して、チャレンジしてみてください。

取材年月日:
2016年1月4日(山本センター長からお話をお伺いしました。)