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道北

ふらの農業協同組合 参与、NPO法人南富良野まちづくり観光協会 理事長 岩永 かずえ さん 【南富良野町】

様々な分野の人が認め合う男女共同参画を農業で

1949年生まれ、福井県出身。愛知県名古屋市内の短大卒後、福井県で編み物教室を開講。1972年に農家である夫と結婚、1974年に南富良野町へ移住し新規就農。JAの活動の中で、男女共同参画を推進している。

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きっかけ
 JAふらの女性部の活動の中で、最初は農業改良普及センターを中心に女性のネットワークを作り、楽しく活動していました。しかし、JAの組織の中に女性役員がいないことに以前から疑問を感じていました。2007年にJA上川地区女性協議会会長となって上川管内全体の状況を知り、女性役員の必要性をより強く感じ、JAふらの総代会で女性役員の必要性を訴え始めました。個々の農家では男女共同で経営しているのに、組織の中に女性がいないのはおかしいですよね。それで、JAの中の男女共同参画を推進しようと取り組み始めました。
苦労
 自分の思いを伝えることが難しく、周囲の方々、特に男性に理解してもらうのが大変です。「JAに女性役員を」と訴えても、「岩永がやりたがっている」と受け止められました。私はこの地域の農業のために訴えているのに、それをわかってもらえないのは辛かったです。JAふらのは、上富良野町、中富良野町、富良野市、南富良野町、占冠村の5行政地区で構成していますが、最初は各市町村の皆さんとの連携を取らずに自分一人の行動で進めたのもまずかったです。地道に訴えて、今はJAふらのの組織として協力を得ることができました。
満足度
 男女共同参画とは、様々な分野の人がお互いに認め合い協力することだと考えています。この考えをずっと訴え続けて多くの女性から賛同を得ることができ、JAふらの女性部役員のバックアップを受けて、2015年にJAふらの参与に就任しました。夫には、「断ったら今までの活動が無駄になるからがんばれ」と背中を押してもらい、息子夫婦も理解があるので本当に感謝しています。それから、以前の総代会で私の発言に対し一人の男性総代の方が、「これからの時代は女性の参画も必要」と言ってくださったことも、本当に嬉しかったですね。
これから
 2017年春、JAふらのに女性役員が2名誕生する予定です!現在は私を含めて2名の女性参与がいるので、私たちが若い人を支え、女性役員が働きやすい環境を作っていきたいです。私たち女性役員は、JAふらのの組織討議を経て選出されているので、女性の声の代弁者として今後も継続して女性役員を選出したいと考えています。今年の夏の大雨で、南富良野町の農業は甚大な被害を受けましたが、農業者はみんな「もう一度やるぞ!」という気持ちでいるので、女性の細やかな気配りで仲間と力を合わせてがんばっていきたいです。
  • 岩永さんイメージ1
  • 岩永さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

自分の思いを達成できないと思っても、自信のある「自分のナンバーワン」を見つけると、どんどん広がっていきます。辛さは喜びに変わります。辛い経験があったからこそ喜びをより強く感じられるのです。希望を捨てず、楽しい未来を描ける人になってほしいな。

 

取材年月日:
2016年10月7日