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道央

認定NPO法人 HOKKAIDOしっぽの会 代表理事 稲垣 真紀 さん 【長沼町】

動物の幸せを願って、小さな命を救いたい

1959年生まれ、札幌市出身。ブリーダーになろうと犬を飼ったが、動物を売ることには疑問を持っていた。捨てられる犬猫の現状に触れて保護活動を思い立ち、長沼町の現地を購入。2002年に活動開始、2010年にNPO法人、2013年に認定NPO法人となる。

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きっかけ
 子どもの頃から動物が好きで、夢はたくさんの動物に囲まれて牧場に住むことでした。結婚後、犬を飼うために北広島市に一戸建てを購入し、ハスキー犬を飼ってブリーダーを始めたのですが、動物を売ることに対して疑問を感じていました。3人の息子を育てながらパート勤務等をしており、南幌町に移り住んだ時にハイジ牧場(長沼町)で働き始めました。そこで、動物を勝手に捨てていく人がすごく多いことを知りました。この現状を変えたいと思って、離婚と同時に長沼町に土地を購入して、保護活動を開始しました。殺処分される直前の犬猫を全道から受け入れ、施設で一時保護して病気等のケアを行い、ホームページ等で紹介して新しい飼い主さんへお渡ししています。
苦労
 これまで会社で雇われて働いていたので、「代表」という形でメンバーをまとめることが苦手でした。最初は、代表といっても関係ないよ、みんな同じ仲間だからと言ってやっていたのですが、それじゃあ組織ってうまくいかないんですよね。ボランティアの方から会への不満が出てきた時に、自分が代表としてきちんと仕切らないといけないと考え、覚悟を決めました。それからは「代表」という意識を持ってやっています。すべては動物を守るためです。難しいのは人間の方で、動物のことで苦労したことはありません(笑)。
満足度
 動物を救いたい、幸せになってほしいという思いでやっているので、保護した時には弱ってボロボロだった犬猫が、新しい飼い主さんにもらわれて幸せに暮らしていることを知ると、とても嬉しいです。お渡ししてから、3週間後と3か月後にご報告をいただくことにしているのですが、それ以外でも随時ご報告をいただき、みんな幸せそうな姿を見ると、本当に良かったと思います。捨てるのも人間ですが、助けるのも人間です。人が幸せでないと、動物も幸せになれません。動物も人間も、両方が幸せになってほしいと願っています。
これから
 動物の殺処分数は減っていますが、動物が捨てられるという現状は続いています。まずは、飼い主がしっかり意識を持って最後まで飼うこと、必要以上に増やさないことを徹底したいです。私たちは、行政と協力しながら、動物を命として扱わない悪質なペットショップやブリーダーを摘発していきたいです。一般の方にも現状を考えてもらうため、パネル展等の啓発活動も行っています。あと、高齢でペットを飼いたくても飼えないという方のために、飼えなくなった時にお預かりできるような、サポートする活動をやってみたいですね。
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北の☆女性たちへのメッセージ

日本人の気質として、どこか人任せで、見たくないものは見ないようにするところがあると思います。でも、自分から動いてみて!動いてみると、状況が変わってきますよ。自分でやってみようよ!

取材年月日:
2016年8月4日