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道央

一般社団法人ふるびら和み 代表理事 本間 利和子 さん 【古平町】

そよ風のように寄り添い、命と向き合う「看取り」をサポート

1967年生まれ、古平町出身。高校卒業後、事務職を経て介護職に転職。「看取りまで寄り添いたい」との思いから2011年に「ふるびら和み」を設立。愛と感謝のなかで最期を迎えられるよう支援する民間資格「看取り士」を2014年に取得し、道内でも先駆的に実践。

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きっかけ
 古平町内の事業所でケアマネジャーをしていた時、「最期まで尊厳ある人生を送るには」ということを考え、「どこでどう死にたいか選べること」と、自分のやりたいことに出会えました。ちょうどその頃、島根県で看取りをやっている柴田久美子さんを知り、余市町での講演会に参加しました。そこで柴田さんが本にサインをしてくださったのですが、「凜と生きる」と書いてあったのです。その言葉に背中を押されて、独立を決心し社長に話したところ、「本間さんを応援するから、この事業所を継いで頑張って」と言ってくださり、資材や利用者さんを引き継ぐ形で2011年に「ふるびら和み」を立ち上げました。
苦労
 家で看取るには医師の往診が必要ですが、引き受けてくれる医師がなかなか見つかりませんでした。あちこち探して、ようやく近隣市町村で見つけることができました。あとは、看取りを希望している方でも、「家族に迷惑をかけるから」と諦めたり、ご家族も「引き受けられない」と、なかなか看取りに踏み切ることができない方々に対して、意識を変えていただくにはどうしたらよいか悩みます。看取りは、送る側にとってもとても大切なもので、満足して送ってあげられたという体験が、生きる力になります。ご本人の希望を叶えられるよう、ご家族には看取る大切さを伝えていきたいです。
満足度
 家で看取ることを決めたご家族をサポートさせていただくと、皆さん看取りに向けて意識が高まり一つになっていく中で、ご本人とご家族を支えていける喜びを感じます。そして、命を引き受ける瞬間に私も立ち会わせていただくことがあり、看取りの瞬間に関わらせていただくと、「ご本人の想いを叶えられて良かった」と達成感と幸福感が得られます。利用者さんとの関わりでは、看取る直前で言葉がなくても、手を握るだけで心が伝わる瞬間があります。命と向き合い、命の尊さに関わる仕事をさせていただいていることに心から感謝しています。
これから
 昔は家で亡くなるのが自然でしたが、今は死が怖いものになっています。看取り士として、看取る心構えや準備を支援し、不安を和らげてそよ風のように寄り添い、家での看取りを希望される方の願いを叶えていきたいです。また、在宅介護や看取りを支える基盤を、地域でしっかりと作っていきたいです。死は怖くないと思えると、安心して今を生きていけます。また、ご家族でなくても、地域の方に見守られて亡くなることが幸せという方もいます。地域の方とのつながりを作りながら、地域で看取る、優しいまちづくりをしていきたいです。
  • 本間さんイメージ1
  • 本間さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

やってみてダメでも笑えますが、「やっておけば良かった」という後悔はしたくないですよね。せっかくの人生、「チャレンジしてこそ命輝く」と思います。好きなことをすると魂が喜びます。一歩踏み出せば必ず応援してもらえます。迷ったときは「愛」を選んで

取材年月日:
2016年8月9日