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道央

荒井養蜂場株式会社 荒井 賀奈子 さん【北広島市】

祖父から継いだ天然はちみつを身近に感じてもらいたい

1973年生まれ、静岡県出身。東京都内の短大卒業後、都内の輸入食品会社や出版貿易会社に勤めながら、海外旅行で20か国以上を巡る。スペイン旅行中に夫と出会い、結婚。都内で長女出産後、夫の実家の養蜂場を継ぐこととなり、2002年に北広島市へ移住。3児の母。

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きっかけ
 独身時代は、一人で気ままに海外旅行を楽しんでいましたが、スペインで夫と出会い、結婚後は東京都内で生活していました。長女を出産して間もなく、北広島市で養蜂場を営んでいた夫の祖父が体調を崩し、事業をたたむと知らせがありました。私も夫も「継ぎたい」と思い、幼い長女を連れて北広島市への移住を決めました。迷いや抵抗はなかったですね(笑)。今は夫が4代目として継ぎ、私と夫は販売や営業を担当し、夫の弟が養蜂を担当しています。はちみつは、北広島市内の店舗での販売のほか、札幌地下歩行空間等で出店させていただいています。
苦労
 私たちのはちみつは、地元周辺の花から採取する100%天然のものです。ミツバチも花も生き物なので、気候などの影響で収量や味が左右され、願っても思いどおりにならないところが難しいですね。ミツバチはデリケートなので、越冬のため11月から5月上旬頃まで巣箱ごと鹿児島県に移動し、ミツバチの体調と開花の頃合いを見て北広島市に戻る、という方法をとっています。はちみつ採取の時は、自然の味を求めて山にこもることもあります。市街地や工業地帯が徐々に増え、自然が減っていると感じています。
満足度
 祖父が誠実に、偽りのないやり方ではちみつを作ってくれていたので、それを引き継ぐことができたことを誇りに思っています。花の種類を分けて採取し、自然の味を提供しています。お客様からは、「本当に100%天然なの?」と聞かれることもありますが、一度味わっていただくと「おいしい!」とリピーターになってくださる方も多いので、とても嬉しく、やりがいを感じています。養蜂家が直接販売することで信頼を得ることができると感じているので、自分たちの手でお客様に届けていきたいと思っています。
これから
 天然のはちみつを、もっと多くの方に身近に感じてもらいたいと思っています。特に若い方や子どもたちにもはちみつの美味しさをもっと知ってもらって、日常の食卓で気軽に食べてもらえるようになれば嬉しいですね。年1回、近所の小学校の授業で養蜂業の学習に協力していますが、もっと食育としての関わりを増やしたいです。また、はちみつの美容効果について、レシピを付けたりマッサージ体験を提供するなどして、若い世代にもPRしていきたいです。でも、あまり活動を広げすぎず、昔からのお客様も大切にしながら、自分たちの手の届く範囲でやっていきたいです
  • 荒井さんイメージ1
  • 荒井さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

やりたいと思ったことは、まず行動してみてください。やってみたら意外と簡単なものです。自分で選んだ道なので、自分を信じてやってみましょう。失敗は失敗ではなく「良い経験」です。周囲を巻き込んで、時には自分を甘やかして、がんばりすぎないでくださいね。

取材年月日:
2017年10月3日